今度は「加計」で安倍首相関与を決定づける朝日のスクープ! 首相秘書官と関係者の面会記録に「本件は首相案件」
LITERA 2018.04.10
安倍首相がついにチェックメイトだ。朝日新聞が今度は加計学園問題で、安倍首相の関与を決定的にする証拠をスクープした。
今回、朝日が確認・掲載したのは、かねてより焦点とされてきた愛媛県や今治市の職員と加計学園幹部が官邸を訪問した「2015年4月2日」の面会記録。実は昨晩、NHKもこの記録が愛媛県で見つかったことだけを伝えていたのだが、その報道によると、同記録は〈国家戦略特区の説明資料として愛媛県が内閣府や文部科学省、それに農林水産省に配った〉ものという。
昨年の国会では、菅義偉官房長官をはじめ、萩生田光一官房副長官や山本幸三地方創生相(ともに当時)らがそろって、この日の面会記録について「保存されていないので確認できない」「破棄する取り扱い」などと答弁してきたが、愛媛県はこれを配っていたのである。
「ない」と言い張っていたものが突如見つかる──。森友問題しかり日報問題しかり、もはや国民はこの異常事態に驚かなくなっているが、しかし、この面会記録が衝撃的なのは、その中身だ。
この面会記録のタイトルはずばり「獣医師養成系大学の設置に係る内閣府藤原次長・柳瀬首相秘書官との面談結果について」。柳瀬唯夫首相秘書官(当時・現経済産業審議官)は昨年7月に官邸で対応した人物として「週刊朝日」(朝日新聞出版)に報じられ、同年7月24日の閉会中審査において「私の記憶するかぎりはお会いしていない」「(会った)記憶はございません」などと何度も否定したが、やはりこの日に対応していたのだ。その上、加計学園獣医学部の早期開学を文科省に迫ったとされる内閣府の担当者、藤原豊・前審議官とも面会をしていたのである。
この面会は、今治市が国家戦略特区に獣医学部新設を申請する約2カ月前のこと。そんな段階から首相秘書官や国家戦略特区を担当する内閣府の職員が特定の学校法人幹部らと面会する……。これだけでもすでに“本件の特殊性”が浮かび上がってくるようだが、決定的なのは、この面会記録に記された柳瀬首相秘書官の発言録だ。そこには、なんといの一番に、こう書かれているのである。
〈《柳瀬首相秘書官の主な発言(総理官邸)15:00》
・本件は、首相案件となっており、内閣府藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい。〉
首相秘書官が露骨なバックアップを明言、面談の日、安倍首相や下村文科相も
「本件は首相案件」──つまり、加計学園獣医学部新設は国家戦略特区で議論される以前から「安倍首相マター」として特別扱いを受けてきた、出来レースだった。そのことがあらためてこれで証明されたのだ。
しかも、このほかにも柳瀬首相秘書官は〈国家戦略特区でいくか、構造改革特区でいくかはテクニカルな問題であり、要望が実現するのであればどちらでもいいと思う。現在、国家戦略特区の方が勢いがある〉などと解説し、獣医師会への対応も〈自治体等が熱意を見せて仕方がないと思わせるようにするのがいい〉など、かなり具体的な指示をおこなっている。また、柳瀬首相秘書官は〈農水省・厚労省も歓迎する方向〉〈文科省についても、いい大学を作るのであれば反対しないはず〉などと発言。このように安倍官邸は、加計学園獣医学部新設を「首相案件」として、はっきりとバックアップしていたのである。
朝日の記事ではこの柳瀬首相秘書官の発言部分だけが紹介されているが、これにはまだつづきがあるのか。そもそも、柳瀬首相秘書官が対応したことや加計学園幹部が同席していたことを昨年7月にスクープしていた「週刊朝日」は、この面会時、当時の文科相で、加計学園から200万円のヤミ献金疑惑が取り沙汰されている下村博文議員がやってきて、「やあ、加計さん。しっかりやってくれよ」と挨拶したと書いていた。
さらにもうひとつ付け加えれば、この日、加計学園幹部らの官邸訪問は15時から16時30分までだったと記録には示されているが、同日の首相動静を確認すると、安倍首相は15時35分から、ほかでもない下村文科相と面談をおこなっていた。はたして、こんな偶然があり得るのだろうか。
ともかく、「本件は首相案件」という首相秘書官による発言が判明したこのスクープによって、森友と同時に加計学園問題の真相を求める声が高まることは必至だ。そして、安倍官邸は今度は「柳瀬首相秘書官のスタンドプレー」などと佐川氏と同様にトカゲの尻尾切りをおこなうかもしれない。
だが、柳瀬首相秘書官が加計学園幹部らと独断で面会し、特別扱いする理由などどこにもない。特別扱いをする理由は、それは「首相案件」だからであり、言うまでもなく総理の「腹心の友」の学校だからだ。
昭恵夫人が関与した森友に、安倍首相が関与した加計。あとはすっぱりと、総理も国会議員も辞めてもらうほかない。
(編集部)
以下 文責 マリヤ・マグダレナ
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