コラム:ドルと米国債、投機筋の弱気ポジションは時間切れか
REUTERS 2018年3月27日 / 11:45 / 9時間前更新
Jamie McGeever
[ロンドン 26日 ロイター] - 投機筋はドルと米国債に対する弱気ポジションを維持している。しかし実際には過去2カ月間、ドルも米国債利回りもほとんど変化していない。また株式市場が非常に崩れやすく見える中で、投機筋のこうした弱気ポジションが突然踏み上げられ、巻き戻しを迫られるリスクは高まりつつある。
そうした事態が起きれば、ドルは跳ね上がってユーロは1.20ドルまで反落し、米10年債利回りが4年余りぶりに3%の節目を突破する時期はさらに遠のく。
米商品先物取引委員会(CFTC)が公表しているシカゴの先物ポジションに関するデータからは、ヘッジファンドやその他投機筋が米国債のイールドカーブ全般にわたって売り持ちを膨らませている状況が分かる。直近週では2年債の売り持ちの増加幅は昨年9月以来の大きさになり、長期債の売り持ち規模が足元を上回った時期は1990年代以降で数えるほどしかない。
投機筋のドル売り持ち規模も6年半余りぶりの大きさになった。これは円の売り持ちが記録的な減少幅になったことが強く影響しており、特に注目される。つまり円の売り持ちが急激に減ったという事実は、あるポジションがもうからない場合に投資家がいかにすぐしびれを切らしてしまうか、いかに市場心理が移ろいやすいかを物語っている。
CFTCのデータによると、20日までの週の円売り持ちは5万7540枚減少し、CFTCがデータ集計を始めた1995年以降で3番目の大きさだった。
この動きと軌を一にして起きたのは、2016年11月以来のドル/円の105円割れだった。背景には米国主導の世界的な貿易戦争勃発懸念やフェイスブックの個人情報不正利用疑惑で主要国の株価が軒並み下落し、安全通貨とされる円の買いが強まったことがある。
米国株は23日までの週に6%下落し、週間ベースで2年余りぶりの低調さを記録。世界全体では約2兆ドルが株式市場から消失した。
ヘッジファンドやその他投機筋は、昨年6月以降ドル売り持ちを続け、今年1月以降に総じてポジションを拡大している。現在では主要通貨に対するドルの売り持ち規模は220億ドルに上ることが、ロイターの計算とCFTCのデータから判明する。
ただしドル安の勢いは鈍ってきており、1月終盤以降は値動きはほぼゼロだ。そこでヘッジファンドやその他投機筋が、コストの大きい弱気ポジションを一体いつまで保持しようとするだろうか。
米国債に関しても、程度はやや弱いとはいっても状況は変わらない。直近のCFTCのデータでは、2年債先物の売り持ちは前週の11万9263枚から18万4036枚に増え、増加幅は昨年9月終盤以来の大きさになった。10年債の売り持ちは31万3304枚で、データ集計開始の1990年代半ば以降でこれより多かったのは10週だけだ。また5年債の売り持ち46万4725枚は、過去4番目の規模だった。
ところが米国の政策金利上昇に連動する短期ゾーンを除けば、米国債利回りも最近はそれほど大きく動いていない。10年債利回りは1カ月前に2.95%で頭打ちし、2月半ばからイールドカーブはフラット化している。
世界の株価は年初来でマイナス圏にあり、貿易の先行きを巡る不安が強まっている上に、世界経済の成長がピークアウトした兆しもいくつか出ていることからすると、米国債利回りが今後大幅に上がる余地があるかどうかは疑わしい。
米10年債利回りは3%の天井にぶつかっているもようで、この水準を上抜けられない時期が長引くほど、売り持ち解消の動きが出てきた場合に利回りが下振れする公算が強まっていく。
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