伊調馨パワハラで揺れる日本レスリング協会のもっと深い闇! 会長が神社本庁の不透明な“中抜きビジネス”に関与
LITERA 2018.03.06
女子レスリング・伊調馨選手へのパワハラ問題が大きな波紋を呼んでいる。日本女子レスリングの育ての親ともいうべき日本レスリング協会の栄和人・強化本部長が、自分の元から離れた伊調選手への執拗なパワハラを行っていたというのだからそれも当然だろう。
この問題は、すでに内閣府に告発状が提出され、スポーツ関係者たちからもパワハラの存在を認める声が上がっているが、日本レスリング協会にはさらなる“闇”がある。それが全国約8万社の神社を統括する宗教法人「神社本庁」との不透明な関係、そして神社本庁による不可解な不動産取引に絡むものだ。
キーマンは今回のパワハラ問題でも名前が上がった日本レスリング協会トップの福田富昭会長。福田会長は栄氏の後ろ盾であり、そのパワハラを容認していたとされる。内閣府に提出された告発状にはこんなくだりがあるからだ。
〈(伊調のコーチは)2010年世界選手権のため、強化委員としてモスクワに遠征した際、栄和人理事(中略)にホテルのロビーに呼び出され、以後伊調馨のコーチをしないようにときつく命じられた。福田富昭会長と高田裕司専務理事もこれを了解しているとのことであった〉(「週刊文春」3月8日号/文藝春秋より)
そんな福田会長だが、実はもうひとつの顔がある。それが“日本で唯一の皇室関連ビジュアル誌”「皇室 Our Imperial Family」の販売元である「日本メディアミックス」という会社の創業者だということだ。
この雑誌は一般の人にはあまり馴染みがないかもしれないが、年4回発行の季刊誌で、皇室関係者や神社関係の間ではよく知られる、宮内庁お墨付きの“皇室ファン雑誌”である。事実上の発行と制作は、神社本庁の外郭団体である日本文化興隆財団がおこない、一般書店での販売は扶桑社が、直販はこの日本メディアミックスが担当している。
福田氏は日本レスリング協会会長だけでなく、日本オリンピック委員会(JOC)副会長や五輪の選手団長、総監督を歴任しているが、一方で、1996年に神社本庁制作の皇室ファン雑誌販売会社を設立していたのだ。現在でも同社の取締役として名を連ね、民間信用調査機関のレポートによれば、20%の株をもっているとされる。
しかも、この日本メデイア・ミックスは、たんに神社本庁の外郭団体から雑誌の販売を委託されているだけではなかった。神社本庁に激震をもたらした疑惑の巨額不動産取引に大きな役割を果たし、“神社本庁のトンネル会社”ともささやかれている存在なのだ。
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